対応困難者

いわゆる「対応困難」な利用者が施設中を引っかき回している。



他利用者たちに心身の影響まででてきた。他の利用者たちも精神疾患、当然である。


しかし彼は自分の行動は一切振り返らず
こいつが悪い
あいつのせい
何で自分だけ
しか頭に無いのだ。


攻撃的で、被害妄想が激しく、僻み根性が強く、口を開けば人を睨み付けながら不平不満や暴言、物にあたる、
いかに自分が不幸で冷遇されている(被害妄想)か語るしかない口で利用者や職員を追い回し疲弊させ仕事に支障が出ている。
これは入院していた時から変わらない。

職員は彼に他の利用者の10倍は時間を割いて話を聞いているのに自分だけ職員に虐げられていると訴える。

もうしんどいから入院しますわ!→でも今は東病棟しか空いてないですよ?→◯◯さんが僕に東に入院しろと恐喝してきた!訴えてやる!と他の職員に訴えるてな具合である。


そんな訳で周りから人が離れていくような行動しかとらないので誰1人関わろうとしない(職員は仕事だから関わる)。


それでも人と仲良くしたい気持ちはあるので、他利用者にどこか行こうと誘う→断られる


断りやがって!自分と仲良くしないのは人としておかしい、相手が悪いになってしまう。
いくら諭しても無駄で、諭した相手さえ恨みにもつ始末。


20も年下の美人職員に対して「ここ入ったらあなたと付き合うつもりだったのに結婚してたなんて残念です」
「こんなに話してたら恋人同士みたいに見えるかもしれませんねw旦那さんに悪い」

といい放つような自己中と客観性の無さははたして病状だけのものなのだろか、生来の性格や環境もあるのではないか。と思うわたくし。



入ってたった2ヶ月での周りへの悪い影響が凄いため、施設長が上へ報告したところ、これが続くようなら強制退所させてもいいと返事が来た。


10年前もこの人はこうやってここを退所させられてる。入院中もお墨付きの対応困難者だった。


この人はこうやって50年生きてきた。孤独で不安で人と比べてばかりで世界はすべて敵か自分に冷たい人間しかいなくて(被害妄想)辛い辛い人生だったと思う。



しかし事務所の前に立ち、何か自分の悪口を言ってるんじゃないかと聞き耳を立てている彼の顔、
他利用者と私が話していると、自分の時との対応に差がないか(あいつには楽しそうに笑って喋ってたのに自分には冷たい!とか後から詰め寄られる)、
じとぉ…とした目線で様子を伺う姿を見ただけで嫌悪感で震えるようになってしまった。



どんな対応困難者であろうとどこか人間として憎めない部分を持っている場合が殆どで、嫌悪感まで持つなんて今までなかったのだが、
彼にはいまだその「憎めない部分」を見つけられずにいる。



私の修行が足りないなあと思う秋の日であった。